CDプレスの際に「白版」の有り・無しを選択する必要があります。
弊社では「白版」とよんでいますが、会社によっては「白ベタ」「白ベース」「白インク」などともよばれています。
CDプレスやDVDプレスの盤面デザインを考える際、「白版(白ベタ)」は仕上がりのクオリティを大きく左右する重要な要素です。本記事では、白版の役割や必要性、印刷方式ごとの違い、デザイン時の注意点、海外事例も交えて詳しく解説します。
白版(白ベタ)とは何か?
白版(英語では「white base」「white underprint」「white ink layer」など)は、CDやDVDの盤面(レーベル)印刷において、色インクの下に敷く白色の下地層を指します。ディスク自体は銀色(メタリック)なので、そのまま印刷するとインクが透けてしまい、色が薄く見えたり、意図しないメタリック感が出てしまいます。
- 白版あり:色が鮮やかに発色し、デザイン通りの仕上がりになる
- 白版なし:銀盤の地色が透けて、メタリックな印象や色の薄さが出る
- 部分白版(カスタム白版):一部だけ白版を敷き、他は銀盤を活かすデザイン
白版の役割とメリット
1. 発色の向上と色再現性
白版は、紙に例えるなら「白い紙」の役割。CMYKインクは基本的に透明度があるため、下地が銀色だと色が沈みがちですが、白版を敷くことで本来の色味や明るさを再現できます。
2. デザインの自由度アップ
・白版を部分的に使えば、銀色を活かしたメタリックな表現や、透明感のあるデザインも可能。
・ロゴや文字だけ銀盤を見せるなど、アクセントをつけた仕上がりも実現できます。
3. 均一な仕上がり
CD盤面は「プレイングエリア」「IDリング」「クリアハブ」など複数の素材で構成されており、白版がないと各部で色の見え方が変わってしまうことがあります。白版を敷くことで、全体の色調が均一になります。
印刷方式ごとの白ベタの扱い
印刷方式 | 白ベタの役割 | 特徴・注意点 |
オフセット印刷 | CMYKインクの下地として必須 | 写真やグラデーションなど多色印刷に最適。白版がないと色が薄くなる。 |
シルク印刷 | 白ベタも1色としてカウント | ロゴやベタ面など単色・少色に向く。部分白版も可能。 |
白版(白ベタ)の作成方法とデータ入稿のポイント
1. 全面白版
・盤面全体に白版を敷く
・一番発色が良く、デザイン通りの仕上がり
2. 部分白版(カスタム白版)
・ロゴや文字だけ白版を敷き、他は銀盤を活かす
・白版用レイヤーを別途作成し、デザインと正確に重ねる必要あり
・ズレやサイズ違いがあると「白フチ」や「色抜け」などのトラブルに
3. 白版なし
・あえて銀盤のメタリック感を活かしたい場合に選択
・色が薄くなるため、デザイン時にイメージと異なる仕上がりになることが多い
白版に関するよくある誤解と注意点
「白版は必須ではない?」
→ デザインによっては不要ですが、鮮やかな発色や均一な仕上がりを求めるなら必須です。
「部分白版は簡単?」
→ データ作成には高い精度が求められ、ズレやミスが仕上がりに直結します。
「白ベタを敷かないとどうなる?」
→ 色が薄い、銀盤が透ける、場所によって色が変わるなど、イメージ通りにならないことが多い。
白版デザインの応用例
メタリック感を活かす
部分的に白ベタを抜くことで、銀色の盤面を活かしたデザインが可能
ブランドロゴや文字を強調
ロゴや文字部分だけ白版を敷くことで、くっきりとした印象に
特殊加工(スポット白版)
白版の形状を自由に設定し、グラデーションや複雑なデザインにも対応
まとめ:CDプレス・白ベタの選択で仕上がりが変わる
・CDプレスにおける白版(白ベタ)は、色の再現性とデザイン性を大きく左右する重要な工程。
・全面・部分・なしの選択で、仕上がりイメージが大きく変わる。
・データ作成時は白版レイヤーの精度やズレに要注意。
海外でも「white base」「white underprint」は高品質なCD印刷の必須知識
盤面デザインの仕上がりにこだわりたい方は、「CDプレス」「白版」「白ベタ」のキーワードで情報収集し、理想のディスクを実現しましょう!